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インタビュー

2025.03.17 Mon

# 自己肯定感育成

【前編】算数の“フアン(不安)”を“ファン”に! 親子で算数にわくわくする世の中をつくりたい

【前編】算数の“フアン(不安)”を“ファン”に! 親子で算数にわくわくする世の中をつくりたい

「数学教師芸人」として、お笑い芸人と数学教師の“二刀流”で活躍中のタカタ先生。「老若男女に算数・数学のおもしろさを伝えること」「算数・数学嫌いをなくすこと」の二つをめざして活動するタカタ先生に、少年時代の思い出や、子どもたちへのエールを伺いました。

聞き手:キッズウィークエンド株式会社 アナウンサー 岩見 沙耶加


タカタ先生
【数学教師芸人・日本お笑い数学協会 会長】
お笑い芸人と数学教師の二刀流で活躍中。「老若男女に算数・数学の楽しさ」を伝えることと、「算数・数学嫌い」をなくす活動に命を燃やす。2020年に開設したYouTubeチャンネル『スタフリ』は登録者24万人超え。オンライン授業『算数わくわく探検隊』や RKB毎日放送『算数わくわくラジオ』では全国の親子に算数のわくわくを毎週お届けしている。著書に『笑う数学』(KADOKAWA),『小学生のためのバク速!計算教室』(フォレスト出版)など。

算数の“フアン(不安)”を“ファン”に!

──タカタ先生の現在の活動内容を教えてください。

You Tubeや各種SNSでの活動、イベントの出演等、さまざまな活動をさせてもらっていますが、その中の一つに、毎週水曜の夜に開催している小学生の親子向けのオンライン算数教室「算数わくわく探検隊」があります。

僕はよく「算数が“フアン(不安)”な君を算数“ファン”に変えちゃうぞ」と言っているのですが、この教室の目標は、家族みんなに“算数ファン”になってもらうこと。小学生に「算数は好きですか?」とたずねると、7割の子は「好き」と答えます。それが中学生になると「数学好き」は5割になり、高校生では3割まで減ってしまう。この現象を算数・数学の世界では「七五三の法則」と呼んでいます。これはもちろん内容が難しくなるからというのもありますが、親御さんの声掛けのしかたも原因ではないかと思っています。

子どもたちが興味をもってあれこれ試行錯誤していても、親御さんにとってはそれがもどかしく、ついつい子どもが興味を失うような言葉を発してしまう。その積み重ねが子どもの考える楽しみを奪い、算数嫌いに拍車をかけているのではないかと思うのです。ですから「算数わくわく探検隊」を通して、学ぶことや考えることの楽しさを親子で一緒に体験し、親御さんも含めて“算数ファン”になってもらいたいと考えています。



──子ども向けの内容ではあるけれど、子どもの後ろにいる大人にも聞いてほしいのですね。

実は、僕は昭和57年生まれですが、昭和30〜50年代ぐらいの歌謡曲が大好きで、すごく詳しいんですよ。なぜかというと、両親が昭和歌謡好きで、僕が子どもの頃、家や車の中でいつもそういう曲を流しては当時の話を聞かせてくれたからです。「美空ひばりはやっぱりすごい」とか、「ピンク・レディーが出てきたときは社会現象になるくらい人気だった」とか。僕はそれらの曲をリアルタイムで聴いていた世代ではありませんが、そんな両親の影響で、美空ひばりもピンク・レディーも、坂本九も大好きなのです。

こうやって、親が好きなものを子どもも好きになるケースは結構多いのでは、という気がします。ということは、僕にとっての昭和歌謡のように、家族の会話の中に算数の話が出てくれば、家族みんなが自然に“算数ファン”になっていくのではないか、と。そのための“しかけ”の一つがこの「算数わくわく探検隊」です。

オンライン教室の活動以外には、福岡のRKB毎日放送の協力のもと、毎週月曜日に「算数わくわくラジオ」というポッドキャスト番組も配信しています。ラジオは映像メディアと違い“ながら聴き”ができますから、自宅のリビングや車での移動中に流してもらえれば、知らずしらずのうちに算数に詳しくなってもらえるのではないか、と期待しています。この番組は、あるポッドキャストのランキングの数学カテゴリで第一位を獲ったことがあるんですよ。


“得意”にどんどんのめり込んでいった子ども時代

──算数・数学の楽しさを伝える活動をされているタカタ先生ですが、子どもの頃はどんなお子さんでしたか? 当時から算数がお好きだったのでしょうか。

そうですね。とにかく算数のドリルとお笑いの「ドリフターズ」が大好きな子どもでした。“ドリルとドリフ”がきっかけで算数とお笑いに目覚めて、それが今の仕事にもつながっています。

ドリルを始めたのは幼稚園の頃か、もしかしたらそれより前かもしれません。最初は同じ形の図形を線でつなげるとか、迷路をクリアするといった簡単なものでした。おそらく親が買っておいたのだと思いますが、そういう教材を何かのきっかけでやり始めて、気がついたらはまっていたという感じですね。その影響か、小学校に入ってからも算数は特に好きでしたし、また得意でもありました。

小学4年のときに試験を受けて、中学受験のための学習塾に入るのですが、塾で教わる内容は難しいですし、テストもたくさんあり、周りと競争しなければなりません。その頃になると苦手な教科もちらほらでき始めましたが、「算数だけは誰にも負けたくない!」という気持ちでのめり込んでいきました。負けず嫌いな性格ではありましたが、決して嫌々ではなく、けっこう楽しみながらやっていましたよ。得意な算数にどんどん時間をつぎ込んで、伸ばしていった、という感じですね。



──「算数」が得意、ということが当時のタカタ先生の誇りだったのですね。周りの人に教えたりした経験は?

そういうこともありましたね。特に2歳下の弟にはよく勉強を教えた記憶があります。ただ、あまりうまくはいきませんでした。わかりやすく教えようとするのですが、だんだんもどかしくなって、毎回最後は必ずケンカになっちゃう(笑)。母親にもよく叱られました。家族のような、近しい関係の相手にものを教えるのはすごく難しいなと今でも思います。必要以上に感情が入ってしまいますから。

教える、ということで記憶に強く残っているのは、学習塾の国語の先生です。とにかくおもしろい先生で、授業中はいつも笑っていた記憶があります。実はその頃、僕はあまり国語が得意ではなかったのですが、それでも毎回この先生の授業はとても楽しみにしていました。

一度、その先生が算数を教えてくれたことがあったのですが、そのときもすごくおもしろかったし、わかりやすかったですね。もしかしたら、この先生の存在が、僕が“教育”にめざめるきっかけだったのかもしれません。そして、現在の僕の活動も、この頃の記憶に影響を受けているような気がします。


<後編へ続く>

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3月30日(日)19:00-20:00、参加費:無料
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