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キッズウィークエンド

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取材・レポート

2023.02.23 Thu

# 探究学習

授業の主役は子どもたち。探求心を育むきっかけづくりをしたい

授業の主役は子どもたち。探求心を育むきっかけづくりをしたい

リアルタイムで動物と配信するユニークな授業で、「キッズウィークエンドアワード2022」企業・施設・団体部門のグランプリを受賞したアドベンチャーワールド。今回は教育企画担当の真柴様に、キッズウィークエンドの授業の印象や工夫していること、今後の取り組みなどをお伺いしました。


株式会社 アワーズ(アドベンチャーワールド) 経営企画室 広報課 教育企画担当 真柴 唱子様
聞き手:キッズウィークエンド株式会社 代表取締役 三浦 里江

授業の緊張をワクワクに変えてくれた子どもたちの表情

三浦:
昨年末の「キッズウィークエンドアワード2022」企業・施設・団体部門でのグランプリ受賞おめでとうございます。まずは受賞されたときの率直な感想をお聞かせください。

真柴:
このたびはグランプリをいただき、誠にありがとうございます。年間8000もの授業の中から選んで頂けて大変光栄です。受賞させていただいたこと、スタッフ一同とても誇りに感じています。

三浦:
パンダやイルカから始まってさまざまなオンライン授業を開催してくださいましたが、特に思い出に残っているものはありますか。

真柴:
2020年の「夏のオンラインこどもフェス」の前夜祭として開催した【可愛くユニーク!パンダファミリー物語〜パンダの魅力大公開】は、私も出演させていただいたので、特に印象に残っています。キッズウィークエンドで初めて開催させて頂いた授業でしたが、参加者特典としてデータを共有していたパンダのマスクやカチューシャを工作で作ってくださって着けた状態で、Zoomの待機室で待っていてくれたんです。しっかり顔が隠れるぐらいパンダのマスクをかぶったお子様もいて、その様子がとてもかわいらしかったです。表情を画面越しに見て、授業を始める前の緊張感がワクワクに変わりました。


三浦:
2021年2月のパンダの赤ちゃんが登場したときの授業も印象的でしたね。

真柴:
「楓浜(ふうひん)」が生まれたときのことですね。パンダの赤ちゃんの名前を募集するときにも、キッズウィークエンドの皆様にご協力頂きました。その際は、誕生から少しずつ成長していく赤ちゃんの様子をまとめた映像を流していただきました。出産シーンや公開前の赤ちゃんの様子など、現地に足を運んでもなかなか見られないものを、映像や画面を通してオンライン授業でお伝えするのも私たちの大切な役割だと考えています。オンライン授業を通して貴重な映像や名前を考える機会を会員の皆様と一緒に持てたことがとてもうれしかったです。ご協力いただき、ありがとうございました。

未来への思いを発信したくて始めたオンライン授業

三浦:
キッズウィークエンドと組んでオンライン授業を開催したきっかけを教えてください。

真柴:
2020年2月の緊急事態宣言発令後、社会に対して私たちが発信できることは何かを考えました。その中のひとつの取り組みとして、オンライン授業に力を入れて取り組みたいという結論に至ったのです。ゴールデンウィークにYouTubeのライブ配信を行ったところ、大きな反響があり、スタッフの中で「実現できる」という自信につながりました。

私たちには、動物が本来暮らしている環境の保全を訴えることや、探求心を育てることも求められています。また、お子様たちが将来の夢を抱けるような場を創造することも大切です。そういったことを社会に発信したいという思いが日に日に強くなる中で、三浦社長を始めキッズウィークエンドのスタッフの皆様にお声がけいただき、オンライン授業や学習にかける思いに大きく共感したことがきっかけです。

三浦:
キッズウィークエンドで授業をしてよかったと感じる点はありますか。

真柴:
アドベンチャーワールドがオンライン授業の経験がまだ浅い中、キッズウィークエンドの皆様のご経験からたくさんのアドバイスをいただけたことです。アドバイスいただけたことがオンライン授業を組み立てる時の大切な要素となり、今に至っています。参加者のアンケートを共有していただいたことも非常に参考になりました。「もっとこういうものが見たい」「もう一度こんな授業をしてほしい」など、私たちでは集められない情報を収集していただきました。今でもオンライン授業に携わるスタッフの励みになっています。

三浦:
キッズウィークエンドの子どもたちの印象はいかがですか?

真柴:
すごく活発な印象ですね。興味があると画面に顔を近づけたり、画面の向こうでご家族を呼んだりと、元気いっぱいに参加してくださってうれしいです。ほかにも、書き上がったワークシートを画面越しに見せてアピールしてくださったり、チャットにコメントを書き込んだりするなど、積極的な姿勢が印象に残っています。

また、授業の最後に皆さんで「ありがとうございました!」とあいさつしてくださるのも、毎回とても嬉しいです。授業中はスタッフも自分の声しか聞こえない状態なのですが、お子様たちの声を聞くことでつながりを実感できます。

観察と考察と振り返りで次のアクションにつなげる

三浦:
アドベンチャーワールドさんのオンライン授業は毎回大変好評です。配信で工夫している点や苦労している点はありますか。

真柴:
リアルイベントでも同様ですが、「参加者が主体的に参加できるプログラムづくり」を一番大切にしています。イベントの主役は動物でもナビゲーターでもなく、参加者の皆様です。私たちが話して参加者が情報を得るだけでは、テレビなどの媒体とあまり変わりません。

具体的には、参加者が動物を観察する時間や、映像を見た後に考える時間を取るようにしています。また、お子様にとっては今知った情報をアウトプットすることも大切です。クイズ形式で質問を投げかけてジェスチャーで答えてもらったり、チャット欄を使って回答してもらったりして、参加者自身のアクションを引き出すようにしています。

今を生きている動物たちがパートナーであることは私たちの一番の強みなので、その魅力や不思議を知ってもらうための興味を持つきっかけをナビゲーターが作るというイメージで企画をしています。

ほかにも、ワークシートを記入して授業内容の振り返りをしてもらっています。アドベンチャーワールドで学んだあとに動物園に実物を見に行ったり、図鑑を見て調べたりなど、次のアクションにつながる流れを意識しています。授業に参加してくれたお子様が将来飼育スタッフになるとまではいかなくても、私たちと関わることで自然を大切にする気持ちや、思いやりの心を育んでもらえたらうれしく思います。

苦労している点は、やはり動物が台本通りに動いてくれないことでしょうか。これはずっと今後もお付き合いが必要なことだと思っています。

三浦:
キッズウィークエンドで今後取り組みたい授業があれば教えてください。

真柴:
SDGsについて学べる授業を今後も定期的に開催したいですね。アドベンチャーワールドはSDGsに取り組んでいますが、一緒に取り組む人が増えることを願っています。20年後、30年後に今私たちがいる地球に暮らしている生命のために、参加者の皆様と協力して未来へのアクションをしていくことが大切です。同じ思いでSDGsのことを考える人が増えたらいいなと思います。

三浦:
最後の質問になりますが、アドベンチャーワールドの楽しみ方を教えていただけますか。

真柴:
まずは豊かな自然の中で、日常とは違う空間を楽しんでいただきたいです。パークでは140種・1400頭の動物が暮らしており、ジャイアントパンダをはじめ、様々な動物たちをご覧いただけます。興味のある1種をじっくり観察していただくのも楽しいですし、パーク内の隅々までご覧いただくといろんな発見に出会えると思います。

園内ではワークシートを無料配布しており、小さなお子様や、ご家族でお越しの方におすすめです。動物のことを観察しながらワークシートを完成させているうちに、生命の不思議や新たな発見を得ていただけるように動物の観察ポイントが書いてあるので、そちらにも注目してみてください。飼育スタッフがパーク内を歩いている時には、もしわからないことや聞きたいことがあれば、何でも話しかけてみてください。スタッフも動物たちのことを皆様と一緒にお話ししたり、皆様の疑問から新たな発見に出会えることを楽しみにしています。

事前予約が必要なツアーやアトラクションもありますので、お越しになる際には公式HPで事前に情報をご確認ください。